アメリカ:The Prison Creative Arts Project (PCAP)

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The Prison Creative Arts Project (PCAP)は、1990年にミシガン大学内に設立されたボランティア組織であり、創造的な表現を通じて、受刑者や出所者、都市の若者と地域コミュニティを強化することをミッションとしています。

ミシガン大学の全寮制の学生及び教職員が、刑務所内外のメンバーと協力して、ビジュアル・アート、クリエイティブ・ライティング、ポエトリー・スラム 、音楽のワークショップに従事しています。

設立の経緯として、1990年に、同大学では、社会正義実現のためにビデオ作品や戯曲を創作する実践的な授業があり、履修生の一人が担当教授に女子刑務所での授業を持ちかけたことがきっかけでした。

PCAPは設立当初から文学部と提携し、一部の授業を州内の矯正施設で開講しています。一般履修生たちは、毎週刑務所や少年院似通い、少年や受刑者らとともに施設内で文学や美術や演劇を学びます。

毎年、PCAPは世界最大の囚人芸術展(Annual Exhibition of Art by Michigan Prisoners)を開催し、受刑者が執筆した文学雑誌を出版しています。毎年、数千人単位の来客が訪れ、会期中にはトークセッションが開催され、授業を受講した経験のある元受刑者や卒業生らが体験を語ります。

年間を通じた芸術プログラムやこうしたイベントは、PCAPが刑事司法制度、ボランティア、教員、学生、大学のスタッフとのつながりを持つ人々の創造的なハブとして機能しています。

映画監督の坂上香は、この芸術展の15周年記念展に参加し、

「大学という場が矯正施設と社会をつなぎ、そこでの関係性の変容に貢献してきただけでなく、そこで学んだ学生たちが、司法、福祉、政治、メディアなどの各方面で、刑務所での体験を活かしている事を知る機会となった」
(坂上香「刑務所とアート」2017年、『こころの科学』No.191)

と報告しています。