網走旅行記〜その2

現在も稼働中の網走刑務所 正門

前回の記事では、「博物館 網走監獄」を紹介しましたが、この施設以外に、私がまわった網走の周辺をご紹介します。

現在の網走刑務所

まずは、上の写真にある通り、現在も稼働している網走刑務所の正門です。博物館にあった正門とそっくりで見分けつかないですよね。もちろん、中に入ることはできないのですが、両サイドにある丸みのあるところが、ちょっとした展示ブースになっていて、刑務所作業製品であったり、下の写真のような再現物(?)などが展示されています。



今は使われていない正門のようなので、このような展示が置かれているようです。
また、博物館網走監獄内にも移築されていた哨舎と呼ばれる見張所があり、簡単な解説も付されています。

また、正門に向かう途中には、下の写真のような記念碑(?)もあります。
平成2年に開基100周年を記念して当時の網走刑務所長が設置したもののようです。

現在の網走刑務所は、網走川を渡ります。橋の上から見ると、こんな感じで、塀の壁を緑が覆っていますね。

網走川を渡る橋(鏡橋)から見た現在の網走刑務所

網走好きな方にはごく常識かもしれませんが、「網走」という名の由来についての解説看板も置かれていました。網走とはアイヌ語で「ア・パ・シリ(我らが・見つけた・土地)」あるいは「アパ・シリ(入り口の・地)」に由来しているそうです。

そして、網走刑務所に向かうため必ず渡るこの「鏡橋」は、囚人はもちろん、刑務所職員も網走川の水面を鏡にして自ら襟を正し、心の垢を払拭して対岸の目的の地へ渡れるようにと命名されたとされています。

私は、早朝に行ってしまったので開いていませんでしたが、「刑務所作業製品展示・販売所」もあるようなので、一応訪れてある程度の滞在ができる場所になっています。

ちなみに、博物館網走監獄の「監獄歴史館」内に、現在の網走刑務所の雑居房・独房が再現されていて、見学ができます。

博物館網走監獄内 「監獄歴史館」に再現されている現在の網走刑務所の雑居房
博物館網走監獄内「監獄歴史館」に再現されている現在の網走刑務所の独居房

また、最近では、網走刑務所が開放的処遇を行う二見ケ岡農場が公開されたというニュースがありました。
*開放的処遇:逃走防止のための塀や鉄格子を設けず,受刑者の自律を信頼して,社会生活と近似した開放的な環境のもとで,更生の促進をねらった行刑処遇の方法。

旧網走刑務所正門遺構

旧網走刑務所の正門遺構が残っている場所があります。山門は網走市の有形文化財にもなっていますが、門に続くれんが塀は最近、耐震性不足が指摘され存続が危ぶまれるとのニュースも出ていました。

博物館網走監獄にある建築物もそうですが、丸みのあるアーチ状の西洋風建築が和の建築と融合しているような、そんな特徴があるようです。
門の中は永専寺というお寺で、幼稚園も併設されています。

旧網走刑務所正門遺構

れんが塀

いかがでしたでしょうか。網走は、まさに監獄都市と呼びうる監獄とともに発展してきた町です。通常、刑務所は迷惑施設のように思えますが、ここでは過去の囚人たちに敬意を払い、文化資源・観光資源として監獄が町のアイデンティティになっています。

私は6月に訪れましたが、冬の網走こそ体験すべきかもしれません。
季節によっても魅力が変わる網走をぜひ訪れてみてください。

(おわり)